2020年の“618” ECプロモーションイベントは、コロナウイルス流行後の初めての大規模セールイベントと言われ、中国における今後の消費行動の試金石として国内外から注目が集まりました。今回の記事では、618セールイベントでの４台ECプラットフォームの動向についてお伝えいたします。

618とは
618とは、中国の京東周年（6月18日）イベントに合わせたECセールイベントです。もともとは、京東が単独で行っていたのが、各ECサイトがこぞって同時開催し、今では中国の最大規模の一つと言えるセールイベントとなりました。

4大ECプラットフォームの全てで売上金額の前年比増を達成！
1：京東（JD.com）

総取引金額 ：2692億元（約4兆3,072億円）※集計期間：6月18日のみ
対前年増減率：33.6%(2019年総取引金額：2,015億元)

Point-
1.2000超のブランドが売上100%増を達成
2.中国主要22都市では、20分以内に発送を開始。ウルムチでは注文から商品発送まで8分21秒という最短記録
3.家電、電子消費財が得意な京東は、各ブランドのCEOや管理者たちをライブ販売に出てもらうように工夫した。ダイソンのCEO(中華圏)郭浪は自らライブ販売へ出て商品宣伝をし、開始5分で取引金額が去年の6倍を達成。

２：天猫(T-mall)

総取引金額 ：6982億元（約11兆1,712億円）※集計期間：6月18日のみ
対前年増減率：32% (2019年総取引金額：5,289億元)

Point-

1.開始10秒で家具カテゴリーの取引金額は10億元を達成
2.開始30秒で生活日用品カテゴリーの取引金額は13億元を達成

3.150超のブランドが売上1億元達成

4.KOLコラボでライブ販売（淘宝直播）を実施。6月16-18日の期間にトップクラスの1人である「薇娅（ウェイヤ）」が人気アイドル「鹿晗（ルーハン）」などと共に3回ライブ販売を行い、視聴者数3000万人以上を記録した。

３：蘇寧(suning.com)

総取引金額 ：未公表
対前年増減率：29%

Point-

1.開始4秒でスマホカテゴリーの取引金額は10億元を達成
2.自動車・不動産の購入金額は510%増
3.有名芸能人、人気俳優などを大量に起用、ライブショー（蘇寧618 SUPER SHOW）+販売の形で、618当日に7時間連続でライブ販売を開催、視聴者数1.2億を超え、取引金額が50億を越えた。

４：拼多多 (pin duo duo)
総取引金額 ：未公表

対前年増減率：19%

Point-
1.6/14の辛巴（KOL名）のライブ販売（直播）では、売上金額は12.5億元を記録（合計中継時間：７時間、紹介商品数：約60種類）
2.テレビ局——湖南卫视と組んで“618超拼夜”を開催、人気オーディション番組《青春有你2》の選手などを出場してもらい、ネットとテレビ両方で番組を流し、視聴率トップ１を獲得、80後、90後の消費者の中で話題になった。

と、ここまでが４大ECプラットフォームで今年の結果となるが、全てに共通しているのが、今回の618では、どのプラットフォームでも顕著にライブ販売（直播）がセールの中核をなしていることだと言えるのではないでしょうか。

2020年、中国EC販売の成功秘訣=ライブ販売（直播）！
今年の618は、結果として今回ご紹介したECサイトにおいてはすべて前年比売上金額を超えました。人口増加・経済成長が落ち着き、また今年のコロナウイルス流行により消費が落ち込むという予想は良い意味で裏切られました。

ただ、一方で中国で商品を販売するにあたってもサイトごとに明確な特徴が現れ、同時に販売促進のための手法についても一工夫を加えることが必要だということが改めてご理解いただけたのではないでしょうか。

その具体的な手法の一つがライブ販売（直播）であり、これからのW11(11月11日 独身の日)をはじめ、多くの中国ECイベント時の最重要ポイントとなると予想されます。

そうは言っても、ライブ販売なんて中国でどうしたらいいかわからないよ・・・・
このように悩まされている方もご安心ください。

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